レイプ  〜第一章〜襲いかかる


01

ある日のこと
麗子はいつものように朝のあわただしい時を終えて休憩をしようとしていたところだ。
オフホワイトのニットのコットンセーターの袖をまくり、ふくらはぎまでの長さのゆったりしたラインのベージュのスカートという柔らかさを感じるフェミニンな服装に、淡いパステルイエローのエプロンをしている麗子はダイニングの椅子に腰掛けようとしていた。
ピンポーン
「誰かしら」
時刻は8時半前、そうそう来客のある時間ではない。
「はい」
インターフォンをとりモニターに写された映像を見る。
小ぶりな段ボール箱を小脇にかかえた宅配便業者らしい男。
「お荷物お届けにあがりました」
「ご苦労様、今開けますね」
そそくさと玄関に向かい玄関脇に掛けられている鏡を見ながら慌てて髪を整える。
先ほどまで後で一つに結んでいた髪をほどき、一休みをしようとしていたところだったので髪の乱れが気になったのかもしれない。
キラキラと光沢を放つ明るい栗色の髪は、ほどかれてもヘアゴムの後は一切なく足首まで真っ直ぐに伸びている。
右手首にはさっきまで結んでいた髪色よりやや暗い茶色のヘアゴムが巻いてある。
ボリューム満点の髪を一本残らず背中側に持っていき、麗子は玄関の錠を開ける。
「おはようございます、判子かサインお願いします」
男はドアを開けたまま箱と伝票を渡すと
「奥さんのロングヘアすごく綺麗ですね」
と、笑顔で言う。
「ありがとう、お上手ね」
麗子も満更ではなさそうに微笑み伝票を渡す。
「ありがとうございました」
男は伝票を受け取ると軽く頭を下げる。
「ご苦労様」
麗子はドアを閉め、鍵をしようとした瞬間、
「すみません」
今の宅配業者の声。
「はい」
麗子は再びドアを開け、隙間から顔を出す。
すると、力一杯ドアを引いて宅配業者が玄関に入ってくる。
「な・・・」
麗子は声を上げる間もなく後ずさりするが、後ろ手に鍵を閉めた男は麗子の口を左手で押さえ、麗子の両腕ごと細い腰に右手を回し、背中一面に下ろしている髪の毛もそのままに抱きしめる。
必死で、もがき抵抗する麗子だが、男の力にかなうはずもない。
ただ、激しく首を左右に振りサラサラと音を立てるように髪を振り乱す。
しかし、腰のあたりで押さえられている髪は首を振れば振るほど頭と腰の間をたわんで乱れ、その乱れ髪はますます男を興奮させているだけなのだ。

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